名古屋社労士事務所ニュース vol.727
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人事労務ニュース[社会]
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■ 雇用保険料引き上げ 10月から労働者負担増 改正法成立
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労使が負担する雇用保険料を来年度に引き上げることを柱とする改正雇用
保険法などが30日の参院本会議で可決、成立した。労働者が支払う保険料は
10月に、企業については4月と10月の2段階で引き上げる。コロナ禍による雇
用調整助成金の支出急増を受け、財源を補う。10月からの保険料率は、労働
者側が現在の0.3%から0.5%に、企業側が同0.6%から0.85%にそれぞれ上昇
する。月収30万円の労働者の場合、毎月の負担額は600円増える。
■ 公的年金 4月分から0.4%減額 受給開始年齢は60〜75歳に拡大
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公的年金は1日から支給額が改定され、6月に支払われる4、5両月分から0.
4%減額される。受給開始年齢も変更され、選択の幅が現行の60〜70歳から、
60〜75歳に広がる。公的年金の支給額は賃金や物価の変動に合わせて毎年度
改定される。新型コロナウイルスの感染拡大で現役世代の賃金が減ったこと
から、2022年度は2年連続の引き下げとなった。自営業者らの国民年金(満額)
は月額6万4816円(前年度比259円減)、会社員と公務員が加入する厚生年金
は夫婦2人の標準世帯で同21万9593円(同903円減)となる。
原則65歳の公的年金の受給開始年齢は、22年度から75歳まで先送り(繰り
下げ)が可能となる。繰り下げれば月額は増える。65歳よりも前倒しする
(繰り上げる)と月額は減るが、減額率は0.5%から0.4%に緩和する。
一定の収入がある場合に厚生年金を減額する「在職老齢年金制度」も見直
す。これまで60〜64歳では賃金と年金の合計が基準額の月額28万円を超える
と、年金額をカットしていたが、基準額を47万円に引き上げ、意欲のある高
齢者の就労を促す。
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人事労務ニュース[個別]
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■ ベルコ 代理店従業員と中労委で和解 労働条件協議へ
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冠婚葬祭業の実務を全国の代理店に業務委託しているベルコ(大阪)が、
労働組合法上の「使用者」として代理店従業員との団体交渉に応じないのは
不当だなどとして、札幌市内の元従業員2人が起こした救済申し立てが30日、
中央労働委員会で和解した。ベルコは実質的に使用者性を認め、今後、労働
条件を巡る協議に応じる。代理人の棗一郎弁護士によると、大手業務委託元
が資本関係のない委託先の従業員と団体交渉をしている例はない。拡大する
業務委託型ビジネスモデル全体に影響しそうだ。
元従業員2人は労働組合結成を理由に2015年、ベルコの不当な支配介入で代
理店を解雇されたと主張。ベルコに対し労働組合法に基づく団体交渉や、復
職を求めた。しかし、同社は雇用関係がないとして応じず、2人は同年6月、
北海道労働委員会に救済を申し立てた。道労委は19年に2人の主張をおおむね
認め、ベルコに団交実施や2人の復職などを命じたが、ベルコは中労委に再審
査を求めていた。
■ 清水建設 通年で新卒採用
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清水建設は2022年度から通年で新卒を採用する。4月入社の一括採用枠と別
に、建築や土木など全17職種で毎月入社できるようにした。通常の新卒採用
に準じた教育プログラムを施し、まず年間10〜20人程度の登用をめざす。9月
卒業の海外大学留学生をはじめ、多様な人材を獲得する。22年4月に入社予定
の361人とは別に、新卒や第二新卒、若手の既卒を対象に実施する。特定のス
キルは求めず、ポテンシャル採用として従来の新卒同様に入社後に教育する。
【名古屋社会保険労務士事務所】