名古屋社労士事務所ニュース vol.831
■ 年金の受給開始手続き 6月3日から電子申請可能に
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厚生労働省は3日から、年金の受け取りを始めるための手続きを電子申請で
きるようにする。単身者で他の公的年金を受け取っていないなどの条件を満
たす人が対象。紙の書類を年金事務所に提出する従来の手続きに比べて短時
間で済む。3日からはスマートフォンなどで申請手続きを完結できるようにな
る。厚労省によるとマイナンバーカード所有者の個人向けサイト「マイナポー
タル」にアクセスすれば15分程度で申請が完了するという。今回、電子申請
が可能になる対象者は24年度に65歳を迎える人の1割程度にとどまる。今後、
配偶者がいる人も電子申請ができるようにシステムの改修を急ぐ。
■ 財形貯蓄 加入年齢を引き上げへ 55歳→70歳未満 利子が非課税
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高齢層の就労拡大を受けて厚生労働省は、利子が非課税になる「勤労者財
産形成貯蓄(財形貯蓄)制度」に加入できる年齢を、現行の55歳未満から
70歳未満に引き上げる検討に入った。来年の通常国会にも、勤労者財産形成
促進法の改正案を提出する方針だ。2023年3月末の契約数と貯蓄残高は、財形
年金が約140万件、約2兆7千億円、財形住宅が約51万件、約1兆3千億円となる。
長期にわたる低金利や、多様な金融商品が出てきたことなどで契約は減少傾
向だが、伝統的な貯蓄制度として活用されてきた。積立金に応じて「奨励金」
を給付し、福利厚生の充実を図る会社もある。
■ フリーランス保護 芸能を重点化 過労死防止大綱 来月にも閣議決定
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過労死を防ぐための国の対策を定めた「過労死防止大綱」の見直し案が4日、
厚生労働省の協議会でおおむね了承された。フリーランスで働く人の保護の
充実や、芸術・芸能分野を調査研究の重点対象にすることなどが盛り込まれ
た。新たな大綱は7月に閣議決定される見通しだ。
今回の見直しでは、過労死について、「長時間労働やハラスメント等によ
り引き起こされる」と明記した。取引上の立場が弱いフリーランスの保護に
ついては、11月施行の「フリーランス新法」の着実な実施のほか、発注者が
期日設定に配慮して過度な労働時間を防ぐようにする。定期健診などの健康
管理も促進する。4月から建設業、ドライバー、医師にも適用が始まった時間
外労働の上限規制の順守も徹底する。
■ 子育て支援金法成立 26年度創設 児童手当、育休給付拡充
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岸田政権が今国会の目玉政策とする少子化対策関連法は5日の参院本会議で
自民、公明両党の賛成多数により可決、成立した。立憲民主党など野党は反
対した。公的医療保険料に上乗せして幅広い世代から徴収する「子ども・子
育て支援金」を2026年度に創設し、児童手当や育児休業給付を拡充する財源
に充てる。
■ 移住外国人を職権で年金加入 厚労省方針
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厚生労働省は10月をめどに、日本に新たに移り住むすべての外国人の公的
年金の加入手続きを進める方針だ。2019年の公的年金加入状況等調査による
と、日本で暮らす外国人(20~59歳)の未加入割合は4.4%と日本人の同年代
(0.1%)を大きく上回る。国外から日本に移り住む人は自治体の窓口で転入
届を出した際に加入手続きの説明を受けるが、一部の留学生や自営業者のほ
か、厚生年金が適用されない事業所で働く技能実習生などが手続きをしてい
ないとみられる。企業で働く人の大半は厚生年金に加入している。
厚労省は日本年金機構のシステムを改修し、住民基本台帳のデータを取り
寄せて日本への新規転入者の情報を把握できるようにする。年金資格が確認
できない人には国民年金に加入するよう文書で通知する。反応が無ければ年
金機構の権限で加入手続きをする。
【名古屋社会保険労務士事務所】