名古屋社労士事務所ニュース vol.838
■ 厚労省 職業紹介事業所の転職「祝い金」対策強化 許可取り消しも
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厚生労働省は24日、医療や介護、保育分野の職業紹介事業所が「祝い金」
を支払って転職を促す違反行為に関し、事業所許可の取り消しも含めた対策
を公表した。祝い金は職業安定法に基づく指針で禁止されているが、後を絶
たないため、対策を強化し、人材の職場定着につなげる。
職業紹介事業所による祝い金などの転職勧奨は、人手不足に悩む現場で人
材の定着を妨げているとして問題視されてきた。対策では、指導監督しても
祝い金を出すなどの違反を継続する事業所に対し、許可を取り消す方針を掲
げた。事業所が受け取る紹介手数料などの透明性を向上させるため、手数料
の実績データの公開を義務化することも盛り込んだ。いずれも指針に明記す
る見通し。
■ 1万1千事業所で違法残業 厚労省、23年度集計
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厚生労働省は25日、2023年度に長時間労働の疑いで立ち入り調査した全国
の2万6117事業所のうち、1万1610事業所で違法な時間外労働(残業)があっ
たと発表した。労使協定(三六協定)を結ばずに残業させたり、協定で定め
た上限時間を超えて働かせたりしていた。
厚労省によると、5675事業所で残業と休日労働が過労死ラインとされる月
80時間を超えた。違法残業のほか、1821事業所で残業代の不払いが確認され
た。昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し経済活動が活発化し
たことや、人手不足が背景にあるとみられ、厚労省の担当者は「(違反が確
認された事業所数は)高い水準で推移している」と分析。24年度からは建設
や運送業などが残業の上限規制の対象に加わり「今後も増える可能性がある」
としている。
■ 遺族厚生年金の給付 子なし現役世代は5年に 男女差を是正
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厚生労働省は2025年の年金制度改正で、遺族年金の男女差を是正する。会
社員などが亡くなった時に現役世代となる20~50代の配偶者が受け取る遺族
厚生年金について、男女とも5年間の有期給付にする。現在受給している人が
不利益を被らないよう十分な経過措置を置く。来年の通常国会に提出する公
的年金制度の改正法案に盛り込むことを目指す。
現行制度は子どもがいない夫婦の場合、夫を亡くした妻は何歳であっても
遺族厚生年金を受け取れる。妻が30歳未満の場合は5年間、30歳以上であれば
原則として一生涯もらえる。一方、妻を亡くした夫は55歳未満であれば受け
取れない。厚労省はこの男女差を数十年かけて解消する方向で調整する。妻
が5年間の有期給付となる対象年齢を現行の30歳未満から段階的に引き上げる。
夫は新たに20~50代が有期給付の対象となるよう調整する。
【名古屋社会保険労務士事務所】