名古屋社労士事務所ニュース vol.790
■ フリーランス 労働安全衛生法の対象に 厚労省
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厚生労働省は31日、フリーランスや個人事業主を労働安全衛生法の対象に
入れる方針を示した。業務上の事故で死亡したり、大けがをしたりした際に、
仕事を発注した企業に対し、労働基準監督署への報告を義務付ける。これま
で雇用労働者だけが対象だったものを順次適用を拡大する。
同日に開いた厚労省の検討会で素案を示した。今後検討会で議論し、適切
な法令整備を目指す。条件は労働者と同じく「死亡するか4日以上休業するけ
がをした場合」と定める。違反しても罰則は設けない方針だが、是正勧告な
ど行政指導の対象になる。素案では法基準を満たしていない機械の使用を禁
止することや、有害業務に従事する場合に研修受講を義務付けることなども
盛り込んだ。
■ 男性の育休取得率、昨年度は17% 厚労省調査 中小企業の促進課題
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厚生労働省は31日、2022年度の男性の育休取得率が17.13%と前年度より3.
16ポイント上がり、過去最高だったと発表した。同日公表した大企業向けの
調査では、1000人超の企業での取得率は今年6月時点で46.2%だった。雇用形
態にかかわらず希望者が取得しやすい環境づくりや、中小企業の取得促進な
ど課題は多い。
5人以上を雇用する約6300事業所を対象に調べた。17.13%の取得率は12年の
9倍にあたる。22年4月から育児休業制度の周知や取得意向の確認などが企業
の義務となり、関心が高まった。22年度の取得率は20年10月1日からの1年間
に配偶者が出産した男性のうち、22年10月1日までに育休を取得した人と申請
した人の割合だ。22年10月からは「産後パパ育休」として育休の分割など柔
軟な取得ができるようになったが、今回の調査期間には含まれていない。足
元の取得者はさらに増えている可能性がある。
■ 外国人技能実習 7200職場法令違反 厚労省立ち入り調査
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厚生労働省は1日、2022年に立ち入り調査した外国人技能実習生が働く事業
所のうち、7247カ所で法令違反があったと発表した。新型コロナウイルス禍
で減少した技能実習生は増加に転じており、担当者は「引き続き、事業所の
監督・指導に力を入れたい」としている。違反の内訳は、作業の安全配慮が
不十分といった労働安全衛生法違反が2326件と最多で、割増賃金不払いが
1666件で続いた。月110時間を超える違法残業や、資格が必要な作業を無資格
のままさせていたケースなどがあった。
■ 違法な残業 調査対象の43%で確認
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厚生労働省は3日、全国の労働基準監督署が2022年度に立ち入り調査した
3万3218事業所のうち、43%にあたる1万4147事業所で違法な時間外労働(残
業)が見つかり、是正勧告を行ったと発表した。調査は、長時間労働に関す
る内部からの情報提供や、従業員からの労災申請があった事業所などを対象
に実施。違法残業が確認された事業所は、新型コロナウイルス禍で休業する
事業者が多かった20年度(8904事業所)、21年度(1万986事業所)に比べて
大きく増加した。
22年度に違法残業が確認された事業所のうち、「過労死ライン」とされる
月80時間超の残業が行われていた事業所は5247事業所(37%)だった。月
100時間超が3320事業所(23%)、月200時間超も168事業所(1%)あった。
■ 「資格確認書」一律交付へ マイナ保険証ない人向け
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政府は2024年秋に予定する健康保険証の廃止を巡り、マイナンバーカード
と一体の「マイナ保険証」を持たない人に「資格確認書」を一律で配る調整
に入った。確認書があれば保険診療を受けられる。有効期間は健康保険組合
などが5年を上限に設定できるようにする。岸田文雄首相は4日に記者会見し、
現行の保険証の廃止時期については現時点で延期する予定はないと説明する
見通しだ。政府は当初、申請に基づき最長1年の有効期間で確認書を発行する
計画だった。調整の結果、申請なしでも健保組合などが配る方式に改める。
【名古屋社会保険労務士事務所】