名古屋社労士事務所ニュース vol.833
■ 解雇無効で勝訴の労働者 「4割も」復職 厚労省調査
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会社に不当解雇されたとして裁判を起こした労働者が、勝訴後に実際に復
職する割合が約4割だったことが厚生労働省の調査で分かった。労務関係者に
は勝訴後も大半は退職するとの見方が多かったため、復職率の意外な多さが
注目を集めている。復職後に定着できるかという課題も浮かぶ。
調査は、裁判で解雇無効判断が出た場合でも企業が労働者に金銭を払って
雇用を終了させる「解雇の金銭解決制度」の検討材料として厚労省が実施。
5月に内閣府の規制改革推進会議に提出された。労務訴訟に関わった弁護士
231人に直近5年の判決について尋ねた。調査によると、勝訴後に復職した人
は37%。復職せず退職した人は55%だった。ただ勝訴後に復職した労働者のう
ち19%は、使用者の嫌がらせなどで結局は退職していたこともわかった。
■ はがきが主の「ねんきん定期便」今年度中にデジタル化へ
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厚生労働省は、定期的に年金の保険料納付額や受給見込み額を知らせる
「ねんきん定期便」を今年度中にデジタル化する方針を固めた。現在は主に
はがきで誕生月に郵送しているが、マイナンバーカードの専用サイト「マイ
ナポータル」で自動的に届くようにする。今月改定する「デジタル社会の実
現に向けた重点計画」に盛り込む予定で、日本年金機構が定期便の情報をマ
イナポータルに送信するシステムを開発する。現在もマイナポータルにアク
セスすることで、パソコンやスマートフォンなどから情報を確認することが
できるが、今後はアクセスしなくても自動的に配信されるようになる。はが
きによる通知も継続するが、希望すればマイナポータルのみにすることもで
きる。
■ 訪問介護の現場 技能実習生も対象に 厚労省検討会が労働制限緩和案
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介護の人手不足に対応するため、厚生労働省の検討会は19日、訪問介護サー
ビス分野での外国人労働者の制限を緩和する案をまとめた。研修などの条件
を満たせば、技能実習生らも働けるようにする。早ければ2025年度からの実
施をめざす。
現在、介護に従事する外国人で、訪問介護サービスに携われるのは、介護
福祉士の資格を持つ在留資格「介護」の人と、経済連携協定(EPA)に基づい
て来日した「EPA介護福祉士」のみ。利用者と1対1で接するサービスで、事業
者側が適切な指導体制を整えられないなどの理由から、技能実習生や在留資
格「特定技能」の外国人には認められていない。19日の検討会では、日本人
と同様に介護の初任者研修の修了を前提とした上で、技能実習生や特定技能
の人、介護福祉士の資格取得をめざすEPA介護福祉士候補者についても、訪問
介護サービス従事者とする案が了承された。
【名古屋社会保険労務士事務所】