名古屋社労士事務所ニュース vol.859
■ 雇用保険料率 来年度0.1%下げ
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厚生労働省は23日開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の雇用保険
部会で、2025年度の雇用保険料率を24年度から0.1%引き下げる案を示し、了
承を得た。失業手当に使う「失業等給付」の料率を下げ、全体で1.45%とする。
雇用環境の改善で積立金が回復傾向にあることを反映する。雇用保険料率が
下がるのは17年度以来、8年ぶりとなる。育児休業の際に使う「育児休業給付」
と、雇用調整助成金などに充てる「二事業」の料率は維持する。
■ 時間単位有休取りやすく 「年5日」上限拡大へ 通院・育児に対応
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政府は労働者の年次有給休暇のうち、時間単位で取得できる日数の上限を
緩和する方針だ。労働基準法で年5日以内と定めている日数を企業から与えら
れた日数の50%程度にするといった案がある。労働者が通院や育児、介護など
多様な目的に柔軟に対応しやすくする。規制改革推進会議が近くまとめる中
間答申に方針を盛り込む。厚生労働省が労働政策審議会(厚労相の諮問機関)
で議論して2025年度中に結論を出す。
■ 労基法見直し 連続勤務13日に 厚労省研究会が提言
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厚生労働省は24日、労働法や労使関係の専門家が集まる「労働基準関係法
制研究会」を開き、報告書の最終案を大筋で了承した。連続勤務日数を最長
13日間に制限するなど労働基準法の見直しを提言した。今後は労働政策審議
会(厚労相の諮問機関)で議論し、早ければ26年の法改正を目指す。
労基法は制定から70年以上が経過し、現状にそぐわない規制もある。在宅
勤務日に使える新たなフレックスタイム制の導入や、会社員に本業と副業の
労働時間を通算して割増賃金を支払う仕組みの廃止を提起した。家庭が直接
雇用契約を結ぶ「家事使用人」を労基法の対象に加えることも検討するよう
求めた。
■ 高額療養費 月5.8万円上げ 年収650~770万円なら
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政府の「高額療養費制度」の見直し案が判明した。2025年8月から3回に分
けて自己負担の限度額を引き上げる。平均的な年収区分の上位である約650万
~約770万円の世帯の1カ月あたりの限度額は約13.8万円で、現在より約5.8万
円高くする。高額療養費制度の見直しは15年以来10年ぶりとなる。第1段階と
して25年8月、現在主に5つある所得区分を維持したまま、自己負担の限度額
を2.7~15%上げる。所得区分が高いほど引き上げ率を高くする。
26年8月には住民税非課税世帯以外の所得区分を3つずつに分けて計13区分
にし、同時にそれぞれの上位2区分で限度額を上げる。27年8月には同じ区分
で限度額をさらに上げる。最も高い年収約1650万円を超える世帯では限度額
を月約44.4万円と、現在より約19.1万円高くする。70歳以上で年収が約370万
円を下回る患者の外来受診に適用する「外来特例」の1カ月あたりの自己負担
の限度額は所得の低い層で据え置く一方、それ以外では年収に応じて26年8月
に2000~1万円引き上げる。
■ 24年の平均賃金 月33万円で最高 伸び率3.7%
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厚生労働省は26日、2024年の賃金構造基本統計調査の速報値を公表した。
一般労働者の平均賃金は月33万200円と比較可能な1976年以降で最高となった。
伸び率は3.7%と、91年以来33年ぶりの大きさだった。企業による賃上げの影
響が表れている。学歴別にみると、大学卒が4.3%、高校卒は2.5%伸びた。大
学卒の一般労働者における年齢階級ごとの伸び率は45~49歳が6.5%と最も大
きく、60~64歳(5.6%)、35~39歳(5.3%)が続いた。
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