名古屋社労士事務所ニュース vol.863
■ パートの厚生年金加入 企業規模要件の撤廃先送り 29年から35年へ
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厚生労働省はパート労働者の厚生年金の加入拡大に向けた改革を巡り、企
業規模要件の撤廃時期を2035年にする方針だ。当初予定の29年から6年間先送
りする。自民党内で中小企業の負担に懸念が広がっていることに配慮した。
労働者の保険料負担を肩代わりする中小企業に、厚生年金保険料を財源とす
る支援金を出す仕組みもつくる。
厚労省は29日の会合で、対象拡大を2段階から4段階に増やし撤廃時期を遅
らせる案を示した。27年10月に36人以上を加入対象とし、29年10月に21人以
上、32年10月に11人以上に拡大する。35年10月に規模要件をなくす。今回の
通常国会で年金改革法案が成立した場合、10年かけて実施することになる。
■ 外国人労働者 伸び幅最大 25万人増 計230万人に
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厚生労働省は31日、日本で働く外国人が2024年10月時点で230万人となり、
前年に比べて12.4%増えたと発表した。増加幅は25万人で集計開始の08年以降
で最大となった。人手不足を背景に企業が採用を強化した。外国人は就業者
全体の3.4%を占める。伸び率を産業別に見ると、最も高かったのが医療・福
祉で28.1%増。次いで建設業が22.7%増、宿泊・飲食サービス業が16.9%増だっ
た。人数で見ると製造業が59万人で最大だった。サービス業(35万人)、卸
売・小売業(29万人)が続く。
在留資格別に見ると、製造業の技術者や介護人材などを含む「専門的・技
術的分野」が71万人と20.6%増えて首位になった。永住者や日本人の配偶者な
ど「身分に基づく在留資格」を初めて上回った。特に一定の専門性を持つ外
国人を受け入れる特定技能が20万人と49.4%増えた。19年の創設から一貫して
増え続けている。
■ 就業者最多6781万人 昨年34万人増 正社員に転換進む
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働く人が過去最多となった。総務省が31日公表した2024年の就業者数は
6781万人と前年から34万人増え、比較可能な1953年以降で最も多い。女性や
シニア層の就労が広がり、正規雇用が増加した。余剰労働力は乏しい。日本
経済は生産性を高めながら、どう人手不足に対応するかという課題に直面す
る。
女性の就業者は前年比で31万人多い3082万人と最多だった。就業率でみる
と男性は直近10年間で1.9ポイントの上昇にとどまったが、女性は6.6ポイン
ト上昇した。高齢者の就業率も上昇傾向にあり、65歳以上は前年比で0.5ポイ
ント高い25.7%だった。雇用形態別にみると就業者のうち正規雇用は39万人増
と大きく増えたが、パートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用は2万人
増だった。より良い雇用条件を示さなければ、人材が集められない状況が広
がっている可能性がある。
■ マイカー通勤手当の非課税額 11年ぶり上げ 燃料高反映
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政府は2025年秋にも勤務先から受け取る自動車通勤手当の非課税額を引き
上げる。現在は自宅からの距離に応じて最高額が月3万1600円など8区分ある。
近年のガソリン価格の上昇に対応し、11年ぶりに増額する。25年度与党税制
改正大綱に非課税額について「迅速に見直しを行う」と明記していた。改正
すれば、14年10月以来となる。マイカー通勤は都心部以外で広く普及し、地
方への配慮がにじむ。
【名古屋社会保険労務士事務所】