名古屋社労士事務所ニュース vol.869
■ 育成就労「基本方針」決定 受け入れ数は5年ごと見直し
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政府は11日、外国人技能実習制度に代わる新制度「育成就労」の理念や基
本的事項を定めた「基本方針」を閣議決定した。外国人の受け入れ数は日本
国内の人手不足の状況を踏まえ、原則5年ごとに分野別に設定すると定めた。
育成就労は外国人の人材育成とともに日本国内の人材確保が目的だと明記し
た。原則3年で技能レベルが高い別の在留資格「特定技能」に移行しやすくし
て日本での長期の就労に道を開く。別の職場に移る「転籍」を1~2年働けば
認める。転籍を制限する期間は分野ごとに定める。
特定技能についても制度理念を記載した。特定技能の外国人が妊娠・出産
した場合、その期間を最長5年の在留期限から除外する。技能実習ではすでに
同様の措置が取られていた。今後運用の詳細を定めた省令を夏ごろに策定す
る。分野ごとの受け入れ数などを設定する「分野別運用方針」は2025年中に
決める。育成就労は27年までに開始する。
■ 企業にカスハラ対策義務 改正法案を閣議決定
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政府は11日、顧客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント(カス
ハラ)」対策を企業に義務付ける労働施策総合推進法などの改正案を閣議決
定した。企業に対応方針の明確化や相談窓口の設置などを求めるが実施の徹
底には課題も残る。パワハラ防止を定めた労働施策総合推進法を改正し、カ
スハラへの対策義務を盛り込んだ。改正法案は今国会での成立をめざす。カ
スハラ対策は法律公布後1年半以内に施行される。具体的には企業に対し、対
応方針の明確化や周知、相談窓口の設置、カスハラがあった場合の迅速な対
応などを求める。詳細は法成立後に指針で定める。
■ 職場の熱中症対策 6月から義務化 厚労省 罰則付きで
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厚生労働省の労働政策審議会の分科会は12日、熱中症対策を罰則付きで事
業者に義務付ける省令案要綱を了承した。同省は4月上旬にも労働安全衛生規
則を改正し、6月から施行する。厚労省によると「暑さ指数28以上または気温
31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超える」作業を要する際
に、対策が義務付けられる。事業者が対策を怠った場合、6月以下の懲役また
は50万円以下の罰金が科される可能性がある。
義務化の内容は(1)熱中症の自覚症状や疑いのある人がいた場合、報告する
ための連絡先や担当者を事業所ごとに定める(2)作業からの離脱、身体の冷却、
必要に応じた医師の処置や診察など症状の悪化防止に必要な内容や手順を事
業所ごとに定める(3)対策の内容を労働者に周知する――が柱だ。
■ ストレスチェックの義務化拡大 安衛法改正案 閣議決定
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政府は14日、労働安全衛生法の改正案を閣議決定した。同法の保護対象と
して、個人事業主(フリーランス)を位置付ける。また、心理的負荷を調べ
る「ストレスチェック」の全事業所への義務化拡大や、働く高齢者の労災防
止に向けた作業環境改善の努力義務化も柱だ。
ストレスチェックは現在、従業員50人以上の事業所に年1回義務付けている。
改正により、現在は努力義務となっている従業員50人未満の事業所も義務化。
精神障害の労災認定件数が2023年度に過去最多の883件となったことを受け、
事業所の規模を問わない対策が必要と判断した。さらに、高齢労働者の特性
に配慮した作業環境の改善といった必要な措置を、事業者に努力義務として
課す。
■ 大卒内定率 最高の92.6% コロナ前超す
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文部科学省と厚生労働省は14日、2025年春に卒業を予定する大学生の2月
1日時点の就職内定率が前年同期比1.0ポイント増の92.6%だったと発表した。
新型コロナウイルス禍前を上回り、1999年度の調査開始以来で過去最高とな
った。人手不足を背景に企業の採用意欲は高く、学生優位の「売り手市場」
が顕著になっている。2月時点の大卒内定率は2020年に92.3%にまで上昇。コ
ロナ禍の影響で21年に89.5%に低下したものの、22年以降に緩やかに回復して
いた。最終的な4月1日時点の就職率は、5月中旬に公表される。24年卒の4月
1日時点の就職率は98.1%で、調査開始以来で過去最高を記録していた。
【名古屋社会保険労務士事務所】