名古屋社労士事務所ニュース vol.900
■ 企業型DC「放置」3300億円 転職拡大で3倍 管理手数料上げ運用促す
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転職時の移換手続きを忘れたまま放置されている企業型確定拠出年金(DC)
の資産が急増している。2024年度末時点で3361億円と10年前から3倍近くに膨
らんだ。管理する国民年金基金連合会などは26年度から月々の手数料を引き
上げるとともに、転職先のDCなどに移す費用を下げて再び運用に回すよう促
す。
企業型DCは公的年金に上乗せする私的年金の一つだ。原則として会社が掛
け金を出し、従業員が自ら金融商品を選んで運用する。企業年金連合会によ
ると、制度導入から23年度までの平均運用利回りは6.9%だ。転職する場合、
新たな勤め先のDCや個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に移して運用を続
けられる。
退職して加入者資格を失った月の翌月から6カ月以内に手続きをしないと国
民年金基金連合会に資産が自動的に移る。「自動移換」と呼ばれ、4カ月たつ
と月52円の管理手数料が引かれる。運用しないため手数料分だけ残高が目減
りする。こうした「放置年金」を減らそうと、国民年金基金連合会などは
26年4月から管理手数料を月98円に引き上げる。資産を移す際の費用は1100円
から550円に下げて移換手続きを促す。
■ 外食産業 2割でカスハラ経験 管理職は長時間労働の傾向 過労死白書
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政府は28日、2025年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。白書
は、外食産業で客から不当な要求や行為を受けるカスタマーハラスメント
(カスハラ)を経験した人が18.8%と、約2割に上ると分析。「エリアマネジ
ャー・スーパーバイザー」や「店長」など管理的な職種には、長時間労働の
傾向があるとも指摘した。
カスハラの経験を職種別に見ると、エリアマネジャーが30.0%と最も高く、
店舗従業員(接客)が21.3%、店長が19.5%で続いた。頻繁なクレームや威
圧的な言動、脅迫や中傷といったカスハラが多い。1週間当たりの平均労働時
間が60時間を超えたのは外食産業全体の14.9%で、エリアマネジャーは24.
0%、店長では29.0%に上昇する。人手不足に悩む中、責任者の長時間労働が
目立つ。
【名古屋社会保険労務士事務所】
