名古屋社労士事務所ニュース vol.920
■ 人的資本の開示拡充 政府指針 経営戦略と連動義務に
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政府は人材確保のための投資計画などを有価証券報告書で開示するよう企
業に促す。2026年3月期から経営戦略と連動した人的資本の開示が義務になる
のを受け、指針を示す。女性管理職比率などの指標のみを重視する姿勢を転
換させる。内閣官房・金融庁・経済産業省が共同で、22年に策定した「人的
資本可視化指針」を改訂し、23日にも発表する。
人的資本に関する開示の充実が26年3月期の有報から全上場企業の義務とな
る。23年3月期に女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差と
いう3指標の開示が義務化されたが、数値だけの記載に終わっている企業が散
見される。指針に法的拘束力はないが、投資家との対話に役立ち、企業価値
向上につながるような考え方や具体例を挙げる。国際的な事業展開をする企
業が海外投資家からの要請に応えられるように国際サステナビリティ基準審
議会(ISSB)など国際基準の考え方にも整合するようにした。
■ 働く高齢者の年金支給拡大 減額基準4月から引き上げ 月65万円に
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厚生労働省は4月から、働く高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」
を見直し、満額支給になる対象を拡大する。年金を減らす基準額(賃金と年
金の合計)を、現在の月51万円から65万円に引き上げ、新たに満額受給の人
が約20万人増える見込み。人手不足が深刻化する中、高齢者が年金カットを
気にして働き控えしなくていいように環境を整えて、就労を後押しする。
■ 男女の賃金格差が最小 25年 女性の正社員増
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厚生労働省が24日発表した2025年の賃金構造基本統計調査によると、男性
の賃金を100として女性の賃金を数値化した「男女間賃金格差」は76.6で前の
年から0.8ポイント上昇した。正社員として働いたり役職に就いたりする女性
が増え、格差は比較可能な1976年以降で最小となった。
パートなど短時間労働者を除く一般労働者の平均賃金は34万600円と前年か
ら3.1%増え、過去最高となった。幅広い産業で高水準の賃上げが波及した。
男性が2.8%増の37万3400円、女性は3.9%増の28万5900円だった。男女の賃金
格差は若い年代ほど小さい。大卒の20~24歳は男性が26万7400円、女性が
26万400円とほぼ同水準だった。専門学校卒は女性が24万200円と男性の23万
6000円を上回った。大卒と専門学校卒を合わせるとこの年代の労働者の約半
数に上る。
■ 「法定外福利費」昨年4.8%増 企業独自の支出分 人材定着へ充実
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厚生労働省は26日、企業の福利厚生費に関する初の調査結果を公表した。
各社が独自に支出した「法定外福利費」は2025年に1社平均で1741万9000円と
なり、前年から4.8%増えた。人手不足が広がり、福利厚生の充実で人材定着
を図る狙いがあるとみられる。大企業から中小まで国内約3万8000社を対象に
実施した。法定外福利費は企業が任意で住宅や医療・健康といった福利厚生
にあてる。社宅やベビーシッター利用、人間ドックへの補助などがある。今
回、過去のデータも調べ、伸び率が25年まで3年連続で4%台だったことが分か
った。
■ 在留外国人 初の400万人超 人手不足補う「特定技能」が押し上げ
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出入国在留管理庁は27日、2025年末時点の在留外国人の人数が過去最多の
412万人になったと発表した。前年から35万人増加し、初めて400万人を超え
た。労働現場の人手不足を補う「特定技能」の受け入れが広がった。
国籍別では、中国が5万7000人増の93万人で最も多かった。2番目のベトナ
ムは68万人と4万6000人増えた。ネパール(30万人)は前年から6万7000人増
え、伸びが顕著だった。在留者の資格は「永住者」が約3万人増の94万人で最
も多い。次いで専門性を持つ「技術・人文知識・国際業務(技人国)」が5万
7000人増の47万人だった。「留学」は46万人と6万2000人増えた。
技術移転を目的にした「技能実習」は廃止が決まっており、45万人とほぼ
横ばいだった。人手不足の産業で労働者を受け入れる「特定技能」は計39万
人を超えた。この1年間でおよそ10万人増えた。19年に制度が開始し、6年連
続で最多を更新した。
■ 外食 人手不足解消遠く 「特定技能」来月13日から停止 上限到達へ
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人手不足業種で外国人を雇う特定技能制度をめぐり、農林水産省と出入国
在留管理庁は27日、外食業の受け入れを4月13日に停止すると発表した。在留
者が急増し、上限の5万人に達する見込みとなった。長期の停止は2019年に制
度ができてから初めて。企業は外国人にこれ以上、頼れなくなる。人手不足
が加速する実態と規制のズレも浮かぶ。
入管庁によると、在留期間が最長5年の「特定技能1号」で働くのは2025年
11月末時点で37万5044人。急増しているものの上限の80万5700人を大きく下
回っている。分野別にみると様相が異なる。外食業は25年11月時点で4万
2396人と上限の5万人に近づいていた。2月時点の速報値で約4万6000人となっ
た。このペースなら5月ごろに5万人を超える。他の分野も受け入れ停止とな
り、採用難に陥る可能性はある。飲食料品製造業は25年11月末時点で上限の
69%、建設業も64%に達している。
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