名古屋社労士事務所ニュース vol.925
■ 高齢者の医療費「原則3割負担へ工程表を」 財制審
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財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会は28日、高齢者の医療費
の窓口負担について、原則3割への引き上げに向けて「制度改革の工程表を作
成すべきだ」と提起した。2026年度内の策定を促す。現役世代の保険料負担
の軽減に向けて、70〜74歳を3割負担に改め、75歳以上も経過措置を視野に入
れつつ同じ負担割合にすべきだと唱えた。いまは原則として69歳までが3割、
70~74歳が2割、75歳以上の後期高齢者が1割となっている。いまも所得が現
役世代並みの75歳以上は3割を負担している。
■ 健康保険料率高止まり 組合3割「解散水準」 高齢者医療の負担重く
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大企業の社員らが入る健康保険組合のうち、2026年度の保険料率が9.9%以
上の組合数が3割にのぼった。組合を存続する利点が薄れる「解散水準」にあ
たる。高齢者の医療費を賄う拠出金がかさみ、料率が高止まりしている。
健康保険組合連合会(健保連)が28日、1364ある健保組合の26年度の保険
料率や収支の見込みを発表した。保険料率は平均9.32%となった。過去最高だ
った25年度から0.02ポイント下がったものの高水準が続く。赤字を見込む組
合は1010と7割に上る。健保組合全体の経常収支は2890億円の赤字となる見通
しだ。賃上げの動向によっては料率の上昇圧力となる。
■ 家族手当「非正規社員にも」 「同一労働同一賃金」の指針改正
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厚生労働省は28日、正社員と非正規労働者の間に不合理な待遇格差を設け
ることを禁じた「同一労働同一賃金制度」の指針を初めて改正した。継続的
に働く短時間労働者らに正社員並みの家族手当を支給するよう求める。10月
から適用する。
どのような待遇差が不合理にあたるか具体例を示し、全国の労働局が指導
の目安にする。日本郵便の契約社員に各種手当を支給しないのは不合理とし
た2020年の最高裁判決などを踏まえ、問題になる例とならない例をより手厚
くした。例えば家族手当は、正社員と同様に労働契約の更新を繰り返し、継
続的な勤務が見込まれる非正規労働者には、正社員と同一に支給しなければ
ならないと記した。
不合理と認められる待遇差を改善する手段として、正社員の手当や賃金を
削減するのは望ましくないと新たに明記した。同一労働同一賃金は非正規の
待遇改善を目指すのが趣旨だと強調した。ほかにも正社員の確保や定着だけ
を目的として、非正規との待遇に差をつけるのは不合理にあたる可能性があ
るとした。指針に違反したケースがあっても、いまは事業者への罰則はない。
順守していない場合には、各地の労働局が是正するよう指導する。
■ 障害者就労で在宅乱用か 「半数以上利用」3倍 国が指導通知
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障害者が通って職業訓練をする就労支援の作業所で、「利用者の半数以上
が在宅」というケースが2025年までの4年間で3.2倍になっていたことが4日、
厚生労働省のデータで分かった。在宅の場合、作業所で支援するスタッフの
人件費など経費を抑えられるため、厚労省は利益目的の一部事業者が必要な
いのに在宅支援を乱用しているとみており、今年4月、全国の自治体に指導の
徹底を求める通知を出した。
在宅利用が急増しているのは「就労継続支援B型事業所」。利用者は軽作
業などをして、月1万~3万円の「工賃」を受け取るのが一般的。事業所には
利用者1人当たり月15万円前後の給付金が国や自治体から支給される。営利法
人の参入が増えており、25年末現在、全国に約2万カ所ある。
■ 中小企業賃上げ 中東危機で減速 実質賃金 3月 1.0%増
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物価変動の影響を除いた実質賃金の伸びが続いている。3月は前年同月から
1.0%増え、3カ月連続で伸びた。中東情勢の悪化で中小企業の賃上げペースに
は陰りもみえ、プラス継続は見通せない。
厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業
所)によると、3月の実質賃金は1.0%増えた。名目賃金を示す1人あたりの現
金給与総額は31万7254円と2.7%増えた。一方で中東情勢の緊迫は26年の春季
労使交渉に水を差している。連合が4月17日公表した第4回集計によると、基
本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は平均5.08%と
前年同期から0.29ポイント縮んだ。
■ 年金試算サイトの機能を拡充し公開 iDeCo 障害年金の見込み額も
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厚生労働省は、将来もらえる年金額を試算するサイトの機能を拡充し、公
開した。公的年金に上乗せできる個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の
受け取り見込み額や、病気などで一定の障害がある人が受け取る「障害年金」
の見込み額も試算できるようにした。
サイトは「公的年金シミュレーター」。2022年に公開された。利用登録は
不要で、パソコンやスマートフォンで使える。生年月日や、会社員か自営業
かといった働き方、働く期間の平均年収などを入力し、将来の受け取り見込
み額を試算できる。イデコの毎月の掛け金や運用利回りなどを選択すると、
運用益や受給見込み額の目安が表示される。障害年金も、障害の程度に応じ
てどのくらい受け取れるかの目安が分かる。
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